社民党常任幹事の伊是名夏子氏が、中日新聞に小田急線内での殺人未遂事件についてのコラムを発表した。その内容は何を言いたいのか、何を言っているのか分からない、およそコラムニストを名乗る者が書くものとは言えない代物。ライターとして教育的指導を行い、リライトしてみた。

 問題のコラムは「性差なくす一歩を」という見出しで、8月6日に発生した小田急線内での男女10人が重軽傷を負わされた事件について触れている。Twitterでも記事の写真がアップされている。

 その内容は概ね、以下のようなものになっている。

@小田急線の事件は女性を狙ったフェミサイドの可能性がある。

A事件後、男性から「電車に乗るのが怖い」という声を聞くが、女性が感じる恐怖とは別物。なぜなら、犯人は女性を狙ったと断言しているから。

B眼鏡をかけた人はテストで減点すると言われ、眼鏡をかけていない人が「減点されそうで怖い」と言うのと同じ理屈。

C眼鏡の使用の有無で差別する構図があるのに、眼鏡をかけていない人が怖いと発言することは、差別を見えにくくする。

D理由にならない理由で命を狙われる女性の恐怖心。世間は女性蔑視、女性憎悪で満ちている。

E女性だから差別されることに気づけ。

F男性も女性と一緒に声を上げろ、そして性差をなくし、差別をなくす第一歩を踏み出したい。

 小田急線の事件は女性を狙ったものだから、男性が怖いなどと言うな、女性というだけで狙われるのは差別意識が根底にある。差別解消のために、男性も一緒に声を挙げてほしいと言いたいようである。

 このコラムのおかしい点を挙げていこう。

(1)男性が怖がるのがおかしいという根拠のない主張

(2)眼鏡の喩えが非現実的で、しかも事案とは事情が異なる

(3)そうした誤った前提から、女性差別の存在と関係のない事実へと論理飛躍

(4)男性を一方的に加害者と位置付けながら、男性に協力を求めている

 まず、(1)については、確かに容疑者は女性が憎いという趣旨の供述をしているようで、いわゆるフェミサイドと呼ばれるものかもしれない。しかし、実際に重軽傷を負ったのは報道によると男女5人ずつの合計10人。女性の殺害を狙ったとしても、男性にも同じ人数、傷害を負わせており、男性だからという理由で被害に遭わないわけではない。

 無差別殺傷事件の中で、フェミサイドと呼ばれるものがどの程度を占めるか分からないが、少なくともこの件では女性と同数の男性が傷害を負っている。この件をもって男性が「電車に乗るのが怖い」という感情を抱くのはごく当たり前のこと。車内で見ず知らずの他人がいきなり刃物を振り回し、車内で油をまいて着火しようとするクレイジーな事件で、女性の恐怖は別物と断言する根拠を見出せる人間がどこにいるのか。この前提部分で多くの読者が納得できないものになっており、そこで読むのを止める人は少なくないと思われる。

 (2)眼鏡をかけていると減点されるテストとは、一体どんなテストなのか。例示は具体的な事例に当てはめて示すことで、抽象的な事実を説明するのが効果的。現実にはあり得ない例を持ち出す段階で、例示する意味はほとんど見出せない。

 しかも、眼鏡をかけていたら減点という条件なら、眼鏡使用者はその時だけ眼鏡を使用しないことで減点を免れることができる。一方、電車に乗る時だけ女性でなくなることなどあり得ない。例示が本件と異なる例なのは明らかで、その点でも例示する意味がない。

 (3)前提が誤っている、喩えが適切ではない上に、「だから女性差別だ」と自らの見解・主張を持ち出しても逆効果でしかない。「それはお前さんの妄想だろう」と、読者に鼻の先で笑われるだけである。「差別とは異なる理由で標的になっているのではないか」と冷静に考える読者もいるかもしれない。そしてそれは正しい考えであると思う。

続く

以下ソース
https://reiwa-kawaraban.com/others/20210823-02/

★関連板★
■えっちな話題なら”ピンクニュース”
http://mercury.bbspink.com/hnews/
■新作AV情報なら”AV情報+”
http://mercury.bbspink.com/avplus/